昔のゲームの想い出 [0142] 「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」 [エニックス] [1990] [ファミリーコンピュータ]
《オムニバス形式シナリオ採用!》
この作品がファミリーコンピュータプラットフォーム上の最後のリリースとなり、且つ天空シリーズが始まるんですよねぇ~。
本作辺りから私のドラクエ熱が徐々に冷めていき、同じようにコンシューマーゲーム熱も徐々に失われていった感じの年でした。(更にその2年後にアーケードゲーム熱も冷めていくのでした…)
1990年というとバブル景気も最高潮で、このソフトも8,500円と凄い高騰していました。私にとって、この年の想い出はX68000のアセンブラでアクションゲームを設計し始めた想い出もあったりと、仕事も趣味もなかなかのマニアックエンジニア魂が芽生え始めた感じの年だったりします。
そしてドラゴンクエストIVの発売日、IIIで並んだ2年前と同様に寒空の中、並んだ出来事が私の想い出話となっています。
正直、ゲームの内容はまるで覚えていません…

この時期辺りから鳥山明先生の絵柄が変わってきた気がします
この作品がファミリーコンピュータプラットフォーム上の最後のリリースとなり、且つ天空シリーズが始まるんですよねぇ~。
本作辺りから私のドラクエ熱が徐々に冷めていき、同じようにコンシューマーゲーム熱も徐々に失われていった感じの年でした。(更にその2年後にアーケードゲーム熱も冷めていくのでした…)
1990年というとバブル景気も最高潮で、このソフトも8,500円と凄い高騰していました。私にとって、この年の想い出はX68000のアセンブラでアクションゲームを設計し始めた想い出もあったりと、仕事も趣味もなかなかのマニアックエンジニア魂が芽生え始めた感じの年だったりします。
そしてドラゴンクエストIVの発売日、IIIで並んだ2年前と同様に寒空の中、並んだ出来事が私の想い出話となっています。
正直、ゲームの内容はまるで覚えていません…

この時期辺りから鳥山明先生の絵柄が変わってきた気がします
【発売日(再び行列に並ぶ)】
エニックスはIIIの猛反省もあり、IVを日曜日に設定してきました。「並び易い」と皆さんは思ったと思いますが(それかIIIの件もあったから予約するという行動を取ったのが普通でしょうね)、私とY本くんは「並んでこそ男」というようなノリで、再びチームを組んで並ぶ事にしました。正直、IIIの件がうまく行き過ぎたからの行動なんだと思いますが、この行動が悲しい事件を引き起す事になろうとは、この時は知るよしもありませんでした…
今回は前回の反省(ギリギリの整理券を取得した事)として、「徹夜で並ぼう。」というプラニングをして、要員を増やしての行動に出る事にしました。
Y本くんをリーダーに、私、タニギシ、更にY本くんの仲間2人を追加して、計5人のパーティーです。私は再び黒のロングコートに、全身白黒の葬式の格好に夜なのにサングラス…という、なんとも痛い格好で、出陣しました。もちろん、コートにはケロッグを仕込んでいましたw
そして徹夜で並ぶという事で、夜の22:00位からのスタートを始めました。そしてIIIの時に予想を上まる本数を配給してくれたヨドバシカメラに並ぶ事に。当時のココは「No.1ショップ」と呼ばれており、ここの1Fにてゲームソフトを売っていました。
現地に到着すると、おおよそ50番目位の位置に付く事ができたのですが、「前日夜から来たのに、もうこんなにいるのかよ…」とちょっと驚きました。
今回は並ぶ時間も長時間という事で、ゲームボーイに、液晶テレビ、多数の食料持参、トレイや散歩交代の場所見張り番ローテートと、それはもう完璧なるプロジェクトとして行動していました。「正直、こんな快適に待っていられるなんて、楽勝じゃん!」というノリです。
だらだらと皆で凄していたら、AM 5:00位になっていて、電車の始発が動き始める時間になっていました。そして気がついたら長蛇の列…
「ちょっと見てこようぜ。」タニギシがそういうので、Y本くんと新参2人を置いて、タニギシと2人で列の最後尾まで行ってみる事に。行列は色々な建物を縫って、駅の方まで繋がっており、「最後尾までもう300人以上はいるよな…」と、IIIの時を遥かに越すような所まで人が並んでいました。「まぁ、ウチらは50番目位だから余裕だけどな。(´▽`)」みたいな。
「ついでに、他の店も寄ってみようよ。」というので、さくらや等の行列を見に行ったところ、「ここはやけに並んでないね… なんでだろ?本数が入らないのか、穴場なのか…」と。
【発売時間がやってきた!】
冬だというのに、小雨がパラついてきました。「なんだよ~! 真冬なのに雨なんてついてないなぁ~。」愚痴りながらも、情けない事に天気予報はチェックしていなかったので、傘も無いまま、みんなジャンパーやコートをカブって、ジャミラのような格好で待っていました。これは我々だけではなく、他の人もみんなそんな感じだったので、ジャミラ一族のような感じです。しかし発売時間が近づいているので、みんなそんなのは気にしません。「なんせ、ドラクエIVが買えるんだもん。こんな小雨なんて気にしてらんねーよっ!」という感じです。
そして、IIIの時に発売を行っていたAM 8:00になりました。雨は酷いドシャ降りになり始めました…
(当時の天気を見ると、曇りのち雨っぽいですが、横浜駅前は悲惨な状態でした)
「ヤバイね… こんなに降るなんて思わなかった… 他の店に並んでいる人も大変だよね。これからまだまだ並ぶ訳だし…」
そして少しすると、店舗の一部が開き始め、中で店員達が作業をしているのが見えてきました!
「やった! やっぱり今回も早めに買えるんだ! 前の方だからすぐ買えて帰れる… 雨もヒドイから、もう早く買って帰りたいよう…」
と思っていた矢先に、後の方から凄い地鳴りっぽい足音と怒号が迫ってきました…
「…ん………………?」
【大暴騰勃発!】
この地鳴りというのは、駅の方からドシャ降りの中、待つのに耐えられなくなった何人かの人間が、店が開いて売ると同時に行列を無視して進んできて、それを見た行列に並んでいた人間達もが、「俺も、僕も、私も、ワイも(ry」と、雪だるま式になだれ込んできた来た人間の音でした。
「オマエら何割こんでんだよ!」「痛てーなー!」「ブッ殺すぞ!」…IIIの時にダイエーで並んでいた時とまるで変りません…しかも、今回はヨドバシなので、並んでいれば恐らく買えるというのに、konozamaです…
気がついたら、辺りは人、人、人のダンゴ状態。それもダイエーでダンゴになった時の数倍のレベルです。塊魂のようなレベルで人が覆い被さってきました。よく小さなライブハウスやヘビメタ系のライブの映像で、客の上に客が乗って(持ち上げられ)、ステージの前に胴上げのように流されていく…という、あのシーンのような事が、普通の路上で、しかもドシャ降りの中でくり広げられていました…
「なんだ、この地獄絵図…ありえない…」とばかりに、人と人の押し合い圧し合いで、終いには「ヨドバシカメラの店員がシャッターを閉めて撤収」を始めました。
少しすると、「ガッシャーーーーン!!!」と、人がなだれ込んだ圧力で、ヨドバシカメラのシャッターが折れ始めると共に、それの影響で柱に吊ってあった屋根のフードが折れ、上に溜まっていた雨水が、ダンゴ状態の人集りの上に「ドバーーー!!!」と、降り注ぎました。
一斉に「冷てーーーーーー!!!」「ギャーーーーーー!!!」と、凄い叫びが声が地鳴りのように腹に響きました。
私は運良く少し離れていた場所だったので、滝行は回避できたのですが、これを食らった人が更に怒りで我を忘れて暴動を起し始めました。もうリアルストリートファイトです。もちろんフィールドは「おしくらまんじゅう」状態なので、しっちゃかめっちゃか状態です。
そんな惨事や暴動が30分以上続いた後、時刻は既にAM 9:00になっていました。
【「警察指導」と「レベルじゃねぇぞ!」】
AM 9:00になった時、側にある派出所から拡声器のようなスピーカー放送が入りました。
「本日は、テレビゲーム・ドラゴンクエストの発売日ですが、ヨドバシカメラでは、売らない事になりましたので、皆さん、暴れるのは止めて、すみやかにその場から移動してください。繰り返します。(ry」と、数回放送が入りました。
すると、みんなが「なんでだよー!折角並んでんのにー!」「俺なんて始発から来てんだぞー!」と野次と溜息が一斉に聴こえ始めました。
私達も徹夜組みなので、この暴動による疲労と、大雨に打たれている寒さから、精神的にかなり参っている状態になっていました。ウィンドウ枠が白から黄色になっています。かなりマズイ状態です。
そんな中、一人の「痩せ細ったメガネをかけたおにーさん」が啖呵を切ったように独りで、
にーさん:「今日が発売日だっていうのに、売らないなんて、何馬鹿な事言ってんだ!!!」
「責任者、出て来ーい!!!」
と、拳を振り上げて叫んだところ、周りにいた群集数十名が、
「出゛て゛来゛ーい゛!!!」
と皆で、拳を振り上げているではありませんか!!!
今だったら、動画サイトにアップロードされてしまいそうな光景です。レベルじゃねぇぞ!
しかし、物凄い団結力です。ゲームソフト一つでここまで心が一つになるのも凄い話です。元気玉が作れそうな程です。
数十人の凄い怒声は、これまた腹に凄く響きました。正直、合唱コンクールなんて目じゃないです。
人生において、これほど野郎共の野太い声で、「出て来ーい!!!」なんて聴けたのは、この時のみとなる事でしょう。
そして、この「出てこいやーデモ」が、数十コール行われた後に、再び
「ガッシャーーーーン!!!」と、ヨドバシカメラの破壊活動は行われ、人大杉状態で警察が来れない事をいいことに、No.1ショップは落城してしまい、店の復旧のために一部のブースが1週間の業務停止となりました(後日情報による)。
【そしてドラクエは…】
フト気がつくと、私のチームの面子は、私とY本くんのみとなっていました。
「あれっ?タニギシは? あと、○○くんと△△くん(今回の追加メンバー)は!?」と、キョロキョロしても見当りません。
もう買えない事は確実と踏んだ私は、Y本くんに「ちょっと探してくる。」と言って人をかき分け、一旦戦線を離脱してタニギシを探しに行きました。「IIIの事もあったから、もしも今回ハグれたら、ここに集ろう。」という集合場所を決めていたので、そこに行ってみると、タニギシと○○くんと△△くんがいました。」そして、ビックリする事に、なんと「ドラゴンクエストIVを持っている」状態に…
OKI:「ど、どどどどど、どーしたの!? ソレっ!!」
私がビックリしていると、
タニギシ:「実は、この暴動の最中に、さくらやで販売してたんだよね…
もうヨドバシじゃ買えないと思って、俺達はそっちに逃げたら、何げに買えた。」
とタニギシがサラっと言いました。
OKI:「マジカヨー!!!」
と、「それがまだ今さっきの話なら、まだ買える可能性もある!」と思い、とりあえずタニギシ達には「雨で濡れていて、これ以上ジッと待っていると風邪ひくから、帰っちゃって!」と、買えた彼等とはBye-Byeし、急いでY本くんを連れていこうと戦線に戻りました。
【Y本くんとの別れ…】
Y本くんを発見したので近寄って行くと、さっきのメガネにーさん達に洗脳されているかのように、拳を高く上げ「出てこいやーデモ」の一人として参加していました…
「Y本くん、朗報があるよ! タニギシ達は『さくらや』でドラクエ買えたって!今さっきの話だから、もしかしたら今行けば、まだ買えるかもよ!」と、Y本くんを連れて行こうとしたら…
Y本:「ヤダ!行かない!俺はここでヨドバシが開くまで待つ!ヨドバシで買うんだ!」
完全に目がイッてます。
OKI:「でも派出所から、『本日は売らない』って言ってるし、多分売らないよ。
『さくらや』に行った方が買える確率が高いと思うよ!」
Y本:「だったら、OKIくん独りで行けばいいジャンか!発売日に売らないなんて許せない。
俺は売るまでここで待つんだ!」
…私は徹夜とドシャ降りに打たれていて、かなりの疲労困憊だったため、心に余裕がありません。
OKI:「だったら、ずっと待ってりゃいいさ! どーせ買えないんだからさ!
Y本くん馬鹿かよ。俺は手に入れてくるからな!」
と、その場を離脱しました。
そして急に、なんかもう、どーでも良くなってきて、結局は「さくらや」にも行かずに、そのまま帰宅しました…
そして、その日を堺に半年間、Y本くんとコンタクトが失くなりました…
彼とはいきつけのゲームセンターで知り合い、いつもここで会っていたのですが、ここに行っても彼には出会わず、「これは完全に避けられているな…」という状況になりました。
かといって、私も若さゆえの意固地になっている部分もあり、自分から電話をかけるのは「負け」という事から、電話をしないでいました。
私の方は春から一気に仕事が忙しくなり、彼はいまで言う「自宅警備員」状態。このため、喧嘩別れの件と並列してすれ違いが続きました。
秋になり、スーパーファミコンが発売されるニュースが巷で流れる頃、「そろそろ、こちらが折れて、謝って会いに行こう。スーパーファミコンも出るし、彼も買うだろうな。その話を出して仲直りしよう。」と思い、彼の家に電話をしたところ。
OKI:「あの~、Y本くん。ドラクエの時はゴメン。俺も結構カッとなっちゃって、
あんな事言っちゃったんだけど、悪気がなかったんだ。」
結構間が開いちゃったけど、仕事も忙しかったから、謝るタイミングを逃しちゃってさ…」
Y本:「で、何の用なの?」
OKI:「(イラッ。そんな言い方ねーじゃんよ…)」
OKI:「えーと、まぁ、とりあえず謝りたかったんだ。」
Y本:「ふ~ん、今更ねぇ~。」
OKI:「(イラッ x2。なんだよ、その言いかた…)」
Y本:「ところでOKIくん、仕事何してるんだっけ? 俺には教えてくれてないんだけど。」
この時の私は、Y本くんの立場(定時制の学校を途中で辞めていて(?)、且つ家で親のスネを噛ってゲームしている)を汲んで、自分が就職している事を隠していたという状況だったりしました。
それがドラクエIVを買いに行く直前にバレて、少し言及されていたキライがありました。
OKI:「え~と、コンピュータプログラマーやってるんだ。」
Y本:「へぇ~。ゲームとか?」
OKI:「いや、違うよ。え~と、なんて言えばいいのかな… 基本ソフトウェア…
OSというのを作ってるんだ。」
Y本:「なんだ、ゲームじゃないのか。つまらない仕事だね。」
OKI:「(カチーン!!)」
OKI:「あぁ、まぁね。つまらない仕事かもねw (怒りながらヒキつり笑い)」
Y本:「そんな事よりも俺、メガドライブの『ストライダー飛竜』やってんだ。
凄くデキがいいよ。やりに来なよ!」
この台詞を聴いて、私は一気にゲーム熱が冷めました。
毎日終バスや先輩に車で駅まで送ってもらい終電で帰りながら、一生懸命OS開発に勤しんでいるのに、コイツはなんて幼稚なんだろ…
何が『ストライダー飛竜』だよ。そりゃ、アレは凄く面白れーよ。俺なんか横浜のゲーセンのハイスコア出したら、後から石井ぜんじさんがプレーしていって、ラスト前の恐竜を何匹も往復で出現させて倒して、俺のハイスコア抜いていった位、想い出あるよ。でも、今は仕事が忙しいんだよ。と。
OKI:「そーなんだー! じゃぁ、これから遊びに行くよ! 久々に一緒にゲームしようね!」
…そーいった私は、彼の家には行きませんでした。そして彼とはその後一度も会う事はありませんでした。
その後、一度だけ横浜のゲーセンで、20人位のオプション(ギャラリー)に囲まれていた彼を見た事はありました。…がしかし、声はかけませんでした。
こーして、ドラゴンクエストIVの行列に並んだイベントが引き金で、5年位続いた一つの友情に幕が降りました。
今となっては、「なんて自分は器が小さかったのだろう…」と、Y本くんに会ったら超謝罪をして、昔のゲームの話で盛り上りたいと思う訳ですが、流石にそれが叶うとは思えません。
今ここでマスターベーションブログを書いて、彼に謝罪する事が私の精一杯だったりします。
ドラゴンクエストIV… 私にとって、とてもしょっぱい想い出となったソフトです。
ちなみに当日は買えませんでしたが、その1ヶ月後位に買いました。
◇ ◇ ◇
という感じで、やっとドラクエシリーズの想い出が書けたので、個人的には非常に感無量です。
通して想い出を書いてみると、大した事を書いてないなぁ~という感じなのですが、これが私にとっての「ドラクエ」という想い出になっていたりします。
エニックスはIIIの猛反省もあり、IVを日曜日に設定してきました。「並び易い」と皆さんは思ったと思いますが(それかIIIの件もあったから予約するという行動を取ったのが普通でしょうね)、私とY本くんは「並んでこそ男」というようなノリで、再びチームを組んで並ぶ事にしました。正直、IIIの件がうまく行き過ぎたからの行動なんだと思いますが、この行動が悲しい事件を引き起す事になろうとは、この時は知るよしもありませんでした…
今回は前回の反省(ギリギリの整理券を取得した事)として、「徹夜で並ぼう。」というプラニングをして、要員を増やしての行動に出る事にしました。
Y本くんをリーダーに、私、タニギシ、更にY本くんの仲間2人を追加して、計5人のパーティーです。私は再び黒のロングコートに、全身白黒の葬式の格好に夜なのにサングラス…という、なんとも痛い格好で、出陣しました。もちろん、コートにはケロッグを仕込んでいましたw
そして徹夜で並ぶという事で、夜の22:00位からのスタートを始めました。そしてIIIの時に予想を上まる本数を配給してくれたヨドバシカメラに並ぶ事に。当時のココは「No.1ショップ」と呼ばれており、ここの1Fにてゲームソフトを売っていました。
現地に到着すると、おおよそ50番目位の位置に付く事ができたのですが、「前日夜から来たのに、もうこんなにいるのかよ…」とちょっと驚きました。
今回は並ぶ時間も長時間という事で、ゲームボーイに、液晶テレビ、多数の食料持参、トレイや散歩交代の場所見張り番ローテートと、それはもう完璧なるプロジェクトとして行動していました。「正直、こんな快適に待っていられるなんて、楽勝じゃん!」というノリです。
だらだらと皆で凄していたら、AM 5:00位になっていて、電車の始発が動き始める時間になっていました。そして気がついたら長蛇の列…
「ちょっと見てこようぜ。」タニギシがそういうので、Y本くんと新参2人を置いて、タニギシと2人で列の最後尾まで行ってみる事に。行列は色々な建物を縫って、駅の方まで繋がっており、「最後尾までもう300人以上はいるよな…」と、IIIの時を遥かに越すような所まで人が並んでいました。「まぁ、ウチらは50番目位だから余裕だけどな。(´▽`)」みたいな。
「ついでに、他の店も寄ってみようよ。」というので、さくらや等の行列を見に行ったところ、「ここはやけに並んでないね… なんでだろ?本数が入らないのか、穴場なのか…」と。
【発売時間がやってきた!】
冬だというのに、小雨がパラついてきました。「なんだよ~! 真冬なのに雨なんてついてないなぁ~。」愚痴りながらも、情けない事に天気予報はチェックしていなかったので、傘も無いまま、みんなジャンパーやコートをカブって、ジャミラのような格好で待っていました。これは我々だけではなく、他の人もみんなそんな感じだったので、ジャミラ一族のような感じです。しかし発売時間が近づいているので、みんなそんなのは気にしません。「なんせ、ドラクエIVが買えるんだもん。こんな小雨なんて気にしてらんねーよっ!」という感じです。
そして、IIIの時に発売を行っていたAM 8:00になりました。雨は酷いドシャ降りになり始めました…
(当時の天気を見ると、曇りのち雨っぽいですが、横浜駅前は悲惨な状態でした)
「ヤバイね… こんなに降るなんて思わなかった… 他の店に並んでいる人も大変だよね。これからまだまだ並ぶ訳だし…」
そして少しすると、店舗の一部が開き始め、中で店員達が作業をしているのが見えてきました!
「やった! やっぱり今回も早めに買えるんだ! 前の方だからすぐ買えて帰れる… 雨もヒドイから、もう早く買って帰りたいよう…」
と思っていた矢先に、後の方から凄い地鳴りっぽい足音と怒号が迫ってきました…
「…ん………………?」
【大暴騰勃発!】
この地鳴りというのは、駅の方からドシャ降りの中、待つのに耐えられなくなった何人かの人間が、店が開いて売ると同時に行列を無視して進んできて、それを見た行列に並んでいた人間達もが、「俺も、僕も、私も、ワイも(ry」と、雪だるま式になだれ込んできた来た人間の音でした。
「オマエら何割こんでんだよ!」「痛てーなー!」「ブッ殺すぞ!」…IIIの時にダイエーで並んでいた時とまるで変りません…しかも、今回はヨドバシなので、並んでいれば恐らく買えるというのに、konozamaです…
気がついたら、辺りは人、人、人のダンゴ状態。それもダイエーでダンゴになった時の数倍のレベルです。塊魂のようなレベルで人が覆い被さってきました。よく小さなライブハウスやヘビメタ系のライブの映像で、客の上に客が乗って(持ち上げられ)、ステージの前に胴上げのように流されていく…という、あのシーンのような事が、普通の路上で、しかもドシャ降りの中でくり広げられていました…
「なんだ、この地獄絵図…ありえない…」とばかりに、人と人の押し合い圧し合いで、終いには「ヨドバシカメラの店員がシャッターを閉めて撤収」を始めました。
少しすると、「ガッシャーーーーン!!!」と、人がなだれ込んだ圧力で、ヨドバシカメラのシャッターが折れ始めると共に、それの影響で柱に吊ってあった屋根のフードが折れ、上に溜まっていた雨水が、ダンゴ状態の人集りの上に「ドバーーー!!!」と、降り注ぎました。
一斉に「冷てーーーーーー!!!」「ギャーーーーーー!!!」と、凄い叫びが声が地鳴りのように腹に響きました。
私は運良く少し離れていた場所だったので、滝行は回避できたのですが、これを食らった人が更に怒りで我を忘れて暴動を起し始めました。もうリアルストリートファイトです。もちろんフィールドは「おしくらまんじゅう」状態なので、しっちゃかめっちゃか状態です。
そんな惨事や暴動が30分以上続いた後、時刻は既にAM 9:00になっていました。
【「警察指導」と「レベルじゃねぇぞ!」】
AM 9:00になった時、側にある派出所から拡声器のようなスピーカー放送が入りました。
「本日は、テレビゲーム・ドラゴンクエストの発売日ですが、ヨドバシカメラでは、売らない事になりましたので、皆さん、暴れるのは止めて、すみやかにその場から移動してください。繰り返します。(ry」と、数回放送が入りました。
すると、みんなが「なんでだよー!折角並んでんのにー!」「俺なんて始発から来てんだぞー!」と野次と溜息が一斉に聴こえ始めました。
私達も徹夜組みなので、この暴動による疲労と、大雨に打たれている寒さから、精神的にかなり参っている状態になっていました。ウィンドウ枠が白から黄色になっています。かなりマズイ状態です。
そんな中、一人の「痩せ細ったメガネをかけたおにーさん」が啖呵を切ったように独りで、
にーさん:「今日が発売日だっていうのに、売らないなんて、何馬鹿な事言ってんだ!!!」
「責任者、出て来ーい!!!」
と、拳を振り上げて叫んだところ、周りにいた群集数十名が、
と皆で、拳を振り上げているではありませんか!!!
今だったら、動画サイトにアップロードされてしまいそうな光景です。レベルじゃねぇぞ!
しかし、物凄い団結力です。ゲームソフト一つでここまで心が一つになるのも凄い話です。元気玉が作れそうな程です。
数十人の凄い怒声は、これまた腹に凄く響きました。正直、合唱コンクールなんて目じゃないです。
人生において、これほど野郎共の野太い声で、「出て来ーい!!!」なんて聴けたのは、この時のみとなる事でしょう。
そして、この「出てこいやーデモ」が、数十コール行われた後に、再び
「ガッシャーーーーン!!!」と、ヨドバシカメラの破壊活動は行われ、人大杉状態で警察が来れない事をいいことに、No.1ショップは落城してしまい、店の復旧のために一部のブースが1週間の業務停止となりました(後日情報による)。
【そしてドラクエは…】
フト気がつくと、私のチームの面子は、私とY本くんのみとなっていました。
「あれっ?タニギシは? あと、○○くんと△△くん(今回の追加メンバー)は!?」と、キョロキョロしても見当りません。
もう買えない事は確実と踏んだ私は、Y本くんに「ちょっと探してくる。」と言って人をかき分け、一旦戦線を離脱してタニギシを探しに行きました。「IIIの事もあったから、もしも今回ハグれたら、ここに集ろう。」という集合場所を決めていたので、そこに行ってみると、タニギシと○○くんと△△くんがいました。」そして、ビックリする事に、なんと「ドラゴンクエストIVを持っている」状態に…
OKI:「ど、どどどどど、どーしたの!? ソレっ!!」
私がビックリしていると、
タニギシ:「実は、この暴動の最中に、さくらやで販売してたんだよね…
もうヨドバシじゃ買えないと思って、俺達はそっちに逃げたら、何げに買えた。」
とタニギシがサラっと言いました。
OKI:「マジカヨー!!!」
と、「それがまだ今さっきの話なら、まだ買える可能性もある!」と思い、とりあえずタニギシ達には「雨で濡れていて、これ以上ジッと待っていると風邪ひくから、帰っちゃって!」と、買えた彼等とはBye-Byeし、急いでY本くんを連れていこうと戦線に戻りました。
【Y本くんとの別れ…】
Y本くんを発見したので近寄って行くと、さっきのメガネにーさん達に洗脳されているかのように、拳を高く上げ「出てこいやーデモ」の一人として参加していました…
「Y本くん、朗報があるよ! タニギシ達は『さくらや』でドラクエ買えたって!今さっきの話だから、もしかしたら今行けば、まだ買えるかもよ!」と、Y本くんを連れて行こうとしたら…
Y本:「ヤダ!行かない!俺はここでヨドバシが開くまで待つ!ヨドバシで買うんだ!」
完全に目がイッてます。
OKI:「でも派出所から、『本日は売らない』って言ってるし、多分売らないよ。
『さくらや』に行った方が買える確率が高いと思うよ!」
Y本:「だったら、OKIくん独りで行けばいいジャンか!発売日に売らないなんて許せない。
俺は売るまでここで待つんだ!」
…私は徹夜とドシャ降りに打たれていて、かなりの疲労困憊だったため、心に余裕がありません。
OKI:「だったら、ずっと待ってりゃいいさ! どーせ買えないんだからさ!
Y本くん馬鹿かよ。俺は手に入れてくるからな!」
と、その場を離脱しました。
そして急に、なんかもう、どーでも良くなってきて、結局は「さくらや」にも行かずに、そのまま帰宅しました…
そして、その日を堺に半年間、Y本くんとコンタクトが失くなりました…
彼とはいきつけのゲームセンターで知り合い、いつもここで会っていたのですが、ここに行っても彼には出会わず、「これは完全に避けられているな…」という状況になりました。
かといって、私も若さゆえの意固地になっている部分もあり、自分から電話をかけるのは「負け」という事から、電話をしないでいました。
私の方は春から一気に仕事が忙しくなり、彼はいまで言う「自宅警備員」状態。このため、喧嘩別れの件と並列してすれ違いが続きました。
秋になり、スーパーファミコンが発売されるニュースが巷で流れる頃、「そろそろ、こちらが折れて、謝って会いに行こう。スーパーファミコンも出るし、彼も買うだろうな。その話を出して仲直りしよう。」と思い、彼の家に電話をしたところ。
OKI:「あの~、Y本くん。ドラクエの時はゴメン。俺も結構カッとなっちゃって、
あんな事言っちゃったんだけど、悪気がなかったんだ。」
結構間が開いちゃったけど、仕事も忙しかったから、謝るタイミングを逃しちゃってさ…」
Y本:「で、何の用なの?」
OKI:「(イラッ。そんな言い方ねーじゃんよ…)」
OKI:「えーと、まぁ、とりあえず謝りたかったんだ。」
Y本:「ふ~ん、今更ねぇ~。」
OKI:「(イラッ x2。なんだよ、その言いかた…)」
Y本:「ところでOKIくん、仕事何してるんだっけ? 俺には教えてくれてないんだけど。」
この時の私は、Y本くんの立場(定時制の学校を途中で辞めていて(?)、且つ家で親のスネを噛ってゲームしている)を汲んで、自分が就職している事を隠していたという状況だったりしました。
それがドラクエIVを買いに行く直前にバレて、少し言及されていたキライがありました。
OKI:「え~と、コンピュータプログラマーやってるんだ。」
Y本:「へぇ~。ゲームとか?」
OKI:「いや、違うよ。え~と、なんて言えばいいのかな… 基本ソフトウェア…
OSというのを作ってるんだ。」
Y本:「なんだ、ゲームじゃないのか。つまらない仕事だね。」
OKI:「(カチーン!!)」
OKI:「あぁ、まぁね。つまらない仕事かもねw (怒りながらヒキつり笑い)」
Y本:「そんな事よりも俺、メガドライブの『ストライダー飛竜』やってんだ。
凄くデキがいいよ。やりに来なよ!」
この台詞を聴いて、私は一気にゲーム熱が冷めました。
毎日終バスや先輩に車で駅まで送ってもらい終電で帰りながら、一生懸命OS開発に勤しんでいるのに、コイツはなんて幼稚なんだろ…
何が『ストライダー飛竜』だよ。そりゃ、アレは凄く面白れーよ。俺なんか横浜のゲーセンのハイスコア出したら、後から石井ぜんじさんがプレーしていって、ラスト前の恐竜を何匹も往復で出現させて倒して、俺のハイスコア抜いていった位、想い出あるよ。でも、今は仕事が忙しいんだよ。と。
OKI:「そーなんだー! じゃぁ、これから遊びに行くよ! 久々に一緒にゲームしようね!」
…そーいった私は、彼の家には行きませんでした。そして彼とはその後一度も会う事はありませんでした。
その後、一度だけ横浜のゲーセンで、20人位のオプション(ギャラリー)に囲まれていた彼を見た事はありました。…がしかし、声はかけませんでした。
こーして、ドラゴンクエストIVの行列に並んだイベントが引き金で、5年位続いた一つの友情に幕が降りました。
今となっては、「なんて自分は器が小さかったのだろう…」と、Y本くんに会ったら超謝罪をして、昔のゲームの話で盛り上りたいと思う訳ですが、流石にそれが叶うとは思えません。
今ここでマスターベーションブログを書いて、彼に謝罪する事が私の精一杯だったりします。
ドラゴンクエストIV… 私にとって、とてもしょっぱい想い出となったソフトです。
ちなみに当日は買えませんでしたが、その1ヶ月後位に買いました。
という感じで、やっとドラクエシリーズの想い出が書けたので、個人的には非常に感無量です。
通して想い出を書いてみると、大した事を書いてないなぁ~という感じなのですが、これが私にとっての「ドラクエ」という想い出になっていたりします。
コメント
コメントの投稿