昔のゲームの想い出 [0116] 「アクスレイ」 [コナミ] [1992] [スーパーファミコン]
《スーパーファミコン2Dシューティングの最高級エフェクトがっ!》
このブログでは、初のスーパーファミコンのゲームの想い出になります。
この頃になると、私のゲーム熱(特にゲームセンター熱)が急激に冷めている時期になるので、このブログのゲームの想い出の年代では終焉になるゲームという感じになります。
この頃になるとコンピュータエンジニアとしてグラフィック画面を趣味でX68000のリッチなものから、仕事でWindowsのチープなものからバリバリいじっていた時期で、映像技術(と演出)の高いゲームしか目に入らず、もうゲーム内容が面白いとかつまらないなんて関係なく、「VRAMをどのように高速にいじっているのか」とか、「いかにアルファブレンドを駆使しているか」とか、そんな事ばっかり気にしていた時期でした。
そしてこの時期はコンシューマーゲーム機の2Dの映像表現は最高潮になっており、自宅でゲームをしながら、「おぉぉぉぉぉ! このバブル崩壊で不況の中、かなり力入ってるなぁ~!」なんて唸っていた時期でもあり(笑)、その時にプログラミング技術で圧倒的な表現をしていたシューティングゲームとして「アクスレイ」がありました。

このブログでは、初のスーパーファミコンのゲームの想い出になります。
この頃になると、私のゲーム熱(特にゲームセンター熱)が急激に冷めている時期になるので、このブログのゲームの想い出の年代では終焉になるゲームという感じになります。
この頃になるとコンピュータエンジニアとしてグラフィック画面を趣味でX68000のリッチなものから、仕事でWindowsのチープなものからバリバリいじっていた時期で、映像技術(と演出)の高いゲームしか目に入らず、もうゲーム内容が面白いとかつまらないなんて関係なく、「VRAMをどのように高速にいじっているのか」とか、「いかにアルファブレンドを駆使しているか」とか、そんな事ばっかり気にしていた時期でした。
そしてこの時期はコンシューマーゲーム機の2Dの映像表現は最高潮になっており、自宅でゲームをしながら、「おぉぉぉぉぉ! このバブル崩壊で不況の中、かなり力入ってるなぁ~!」なんて唸っていた時期でもあり(笑)、その時にプログラミング技術で圧倒的な表現をしていたシューティングゲームとして「アクスレイ」がありました。

アクスレイは自機の武器を3つ選択してステージを進めるシューティングゲームとなります。ステージは奇数面が縦スクロール、偶数面が横スクロールとなり、各ステージのラストにボスがいます。
(最初の方のステージにはステージ中盤に中ボスがいたりもします)
ゲームとしては同社の「グラディウスII」と「沙羅曼蛇」がブレンドされたようなゲームで、展開としてはオーソドックスなゲームなのですが、このゲームの凄いところは、「一流ゲームのフィーチャーをただ組み合わせた…」という訳ではなく、ゲームのプログラミングテクニックが素晴らしいのです!(`▽´)
(もちろん、ゲームの内容もシューティングファンを魅了する内容になっています)
【ファーストインプレッション】
私はこのゲームをゲーメストの彼が買ってきたものをプレーしたのが最初の出会いでした。
最初にプレーして出した感想は、上述の「グラIIと沙羅曼蛇が~(ry)」みたいな事を言って、少し馬鹿にしていた…というもので、武器セレクトのボイスなどには、「コレ、なんて言ってんだろうね。『アームストロング船長がコンプリートしてグッドラック』みたいな事、言ってねーか?(笑)」とか、「ボス戦の前の声って、ベラボーマンの福引男の声を周波数落しているみたい(笑)」…みたいな小馬鹿のしようでした。(彼にはバカウケしていましたが…)
しかし、このゲームを極めた頃には、「俺は本当に馬鹿でした…orz」という程の後悔をする事に…
【スーパーファミコンの能力の更に上を行く技術】
簡単に「技術」といっても、スーパーファミコンの持っているハードウェア機能をただただ使っているだけではないのがこのゲームの凄いところで、これらのハードウェア機能を使いつつ、更にエフェクトを醸しだしている…というところが素晴らしいと思っています。
結局、これらの表現が見たいために、幼馴染の家でこのゲームをクリアした後に、私も買いに行った程です。
というところで、どこのような所に当時は感動したかを想い出しながら列挙したいと思います。
[奥行まで表現するラスター処理]
「ラスター処理」というと、ゲーム好きな人は「ラスタースクロール」を思い出すと思います。
ラスタースクロールはこのブログでも何度も出ている2Dゲーム上の有名な表現ですが、このゲームは単純なサイン波形のラスタースクロール表現のみでなく、奥行を表現するために画面上部の方を潰しての表現を行っていたりします。
奥行のあるステージは縦スクロールの奇数面で、これらのステージは画面上部へ行くほど画面の密度が高くなっており、奥行があるように見えます。
ちなみに自機の速度も奥(上部)へ行く程遅くなっているので、なんとなく雰囲気が出ています。
疑似3Dの奥行とは感覚が違っているのが人によってかなり違和感があるみたいですが、私はそんな事よりも、この処理に驚愕したという感じです。
また、この上部の方はステージによりフォグをかけており、後述する半透明機能を使っています。
[多重スクロール処理とボス]
この時期のハードウェアから、アーケードゲームのようにBG面を2枚以上持つ事ができるハードウェアがリリースされ始めましたが、このゲームも当然、BG面を最大2~4枚使って多重スクロールを実現しており、殆どのステージが、奥行を表現する背景はゆっくり流れ、手前は衝突する背景という、アーケードゲームでは定番の表現を行います。
ここで素晴らしいのは、縦横ステージ関係無しに大型のボスを表現するのに、「ステージ進行を上手に構成し、ボスにBGを1面分を持ってくる」というもので、スプライトでは表現が困難な大型ボスは、ステージ構成を背景BGを1枚だけにするようにし、もう1枚のBGはボスに割り当てて表現しています。
(処理速度を稼ぎたいのか、大抵ボス戦はBGを2枚使っている感じです)
当時はこの構成に本当に感心し、「ゲームプログラミングというのは、こーいうハードの能力以外にも自前で構成する職人技が必要なんだな。」という事を理解しました。
[回転機能を使ったボス]
スーパーファミコンのハードで実現できる機能で有名なものに、BGの拡大縮小と回転というものがあります。
アクスレイがリリースされた時は、まだスーパーファミコンが出て1年半程度という事もあり、当時のゲームというのは「パイロットウィングス」「スーパーマリオワールド」「悪魔城ドラキュラ」「魂斗羅スピリッツ」「超魔界村」などが、この回転機能をゲームの「ギミック」として使用していたと思います(他にもあったと思いますが、私はこれ位しか知りません…(^^ゞ)。
回転するBGが「ヒットする背景」や「ボスキャラ」として「判定がある」というのは、当時としては結構高度な処理だと思っていただけに、私はこの処理を使っているゲームにとても感動していました。
アクスレイではステージ2のボスが極太レーザーを回転させながら発射してくるのですが、当時はこの処理が物凄く圧巻で、「スゲー!こんな表現に回転が使えるんだ!」と驚愕した想い出があります。
それと同時に、「ん?このボスって後にいれば、極太レーザーに当らない仕様になってしまうけど、なんでもっと画面右から撃つようにしないんだろ…?」なんて思っていました。
その数年後、ゲーム業界で働き始めたF田くんに「スーファミの回転機能は、回転軸は1本で、BGの回転座標は設定できても、表示される軸は必ずスクリーン中央になるんだよ。」と言われ、「あ~、だからアクスレイの2ndのボスは中心から回転する仕様なんだ…」と、数年経ってから、この時の表現の捻出に感動した想い出があります。
こう思うと、電源入れて単純にタイトル画面をグルグル回して表現するだけのようなゲームとは違うものだなぁ~と、シミジミしました。
[あちこちで半透明処理]
背景の回転拡大縮小の他にも半透明(アルファブレンド)という機能も忘れてはいけません。
この頃はアーケードかX68000が専売だったというような機能もスーパーファミコンに搭載されていました。
そして、このゲームは当然その機能を使わない訳がありません。
ステージ1, 3のボスの出現方法(フェードイン)から、ステージ4の水のステージの水中部(の半透明)と、様々な個所で比較的一般的な使用から、ラスボス戦で出てくる岩の出現表示にも半透明機能が駆使されています。この岩はスプライトっぽく見えるのですが、「もしかしたらスーファミ最大の4面のうち、この岩に2面を適用しているのかも…?」と未だに私にとって謎となっています。
半透明の他にも、マスキング処理も行っているみたいで、最終面で敵がライト光らせてくるのですが、背景の一部が明るくなったりします。これは恐らくマスキング処理だと思うので、このような処理までやってのけています。
[モザイクまで使う]
モザイクはスーパーファミコンで、ステージの切り替え等によく使われるエフェクトです。
流石にこの処理はエフェクト程度に留まり、ギミックとしては使われていませんが、ステージ3のボスがダメージを受けるとモザイクがかかったりします。ボスはサンダーのような攻撃をしてきていたので、ボスに逆ビリビリ感を与えた感じが出ていました。
[水の中にラスター処理]
ステージ4の水の中までラスター処理を行っています。
素晴らしい事に、水の中だけがラスタースクロールを行い、水中の揺らぎを演出しています。当時としては、地上と水中が分けて表現されているのは「アクアレス」位しか見た事なかった私には「スーファミでも、ついに… ゴクリ…」って感じでした。
[ボスの消滅表現にラスター処理]
ボスの消滅の仕方にまで一風変ったラスター表現を行っています。
私が当時感心したボス消滅処理にステージ4とステージ5がありました。
ステージ4のボスが倒されると「分身するように消滅」していきます。これは恐らく奇数ラスターと偶数ラスターで表示位置をズラして実現しています。まるでインターレースです。
ステージ5のボスが倒されるとボスが「溶け落るように消滅」していきます。これは恐らく描画する背景のライン位置をVSyncのタイミングに合せて下に数回再描画して実現しています。
どちらも背景のキャラクタパターンを用いらずに実現できるプログラマブルな処理に、「うまいなぁ~!」と感心するばかりでした。
[リバーブやフェードまで使う]
このゲームは映像ばかりだけでありません。サウンドの処理も素晴らしいです。
スーパーファミコンでは比較的簡単(だと私が勝手に思っている)なフェードアウト処理から、ステージ4のような洞窟では、リバーブ処理を実現しています。スーパーファミコンはPCM(ADPCM)音源なので、比較的このような処理はファミリーコンピュータに比べて楽とは思いますが、PCMだからこそ処理がヘビーにもなると思います。これを上述の映像と並列してやっているのは素晴らしいと思いました。
(もしかしら、簡単なI/Oポート設定とかで済んだりして(^^ゞ)
[BGMに凄い(?)仕掛けが]
あまり知られていないような気がしますが、このゲームの「ステージボスのBGMは、殆んどがステージBGMのアレンジ」になっています。
私にとって、スーパーファミコンの音源というのは、オーケストラや哀愁の漂う曲に合っていて、且つ音がこもっている感じがして、あまり好みではないのですが、このゲームの曲はその「哀愁の漂う」という雰囲気に合っている上に、ステージBGMのアレンジがボス曲というフィーチャーに感動して、かなり好みとなっています。
特にステージ4の曲は音色も綺麗で、未だに聴いている位です。
(実はゲーム全てにおいて水中を表す曲が比較的好きというのもあるのですが…(^^ゞ)
このようなステージBGMをアレンジして回していく仕掛けがあるゲームは、他に「ブラックドラゴン」がありますが、このようなBGMデザインを持つゲームは凄いと思います。
◇ ◇ ◇
…と、パッと列挙しただけでも、これだけあるので、洒落にならない程、ゲームプログラミング技術が素晴らしいです。
これだけの事が実現できるのは、このハードウェアに精通しているだけではなく、かなりエンターテーメント性に優れていないと思い浮ばない訳で、このゲームを制作されたスタッフというのは、凄い精鋭部隊なんだろうなぁ~なんて当時は思っていたものです。
そして、今回この文章を書きながら、アクスレイの事をwikipediaを見たら、「トレジャーのメンバーがコナミに在籍していた頃に関わっていた最後の作品である。」…って、なるほどねぇ…そーだったんだw
全てが納得いってしまいすぎです。お釣りがくる程です。賽銭箱に100円玉投げたら、釣り銭出てくる人生です。(なんて(^^ゞ)
当時はエンディングに「アクスレイ2」の事が出ていたので、「いつになったら出てくるんだ?」とか思っていましたが、なんか謎が解けた気がします。
これだったら友人に「そのうち社長さんに会ったら、アクスレイ2は将来出ないのか聴いておいてw」とか言っておきたいものですw
(最初の方のステージにはステージ中盤に中ボスがいたりもします)
ゲームとしては同社の「グラディウスII」と「沙羅曼蛇」がブレンドされたようなゲームで、展開としてはオーソドックスなゲームなのですが、このゲームの凄いところは、「一流ゲームのフィーチャーをただ組み合わせた…」という訳ではなく、ゲームのプログラミングテクニックが素晴らしいのです!(`▽´)
(もちろん、ゲームの内容もシューティングファンを魅了する内容になっています)
【ファーストインプレッション】
私はこのゲームをゲーメストの彼が買ってきたものをプレーしたのが最初の出会いでした。
最初にプレーして出した感想は、上述の「グラIIと沙羅曼蛇が~(ry)」みたいな事を言って、少し馬鹿にしていた…というもので、武器セレクトのボイスなどには、「コレ、なんて言ってんだろうね。『アームストロング船長がコンプリートしてグッドラック』みたいな事、言ってねーか?(笑)」とか、「ボス戦の前の声って、ベラボーマンの福引男の声を周波数落しているみたい(笑)」…みたいな小馬鹿のしようでした。(彼にはバカウケしていましたが…)
しかし、このゲームを極めた頃には、「俺は本当に馬鹿でした…orz」という程の後悔をする事に…
【スーパーファミコンの能力の更に上を行く技術】
簡単に「技術」といっても、スーパーファミコンの持っているハードウェア機能をただただ使っているだけではないのがこのゲームの凄いところで、これらのハードウェア機能を使いつつ、更にエフェクトを醸しだしている…というところが素晴らしいと思っています。
結局、これらの表現が見たいために、幼馴染の家でこのゲームをクリアした後に、私も買いに行った程です。
というところで、どこのような所に当時は感動したかを想い出しながら列挙したいと思います。
[奥行まで表現するラスター処理]
「ラスター処理」というと、ゲーム好きな人は「ラスタースクロール」を思い出すと思います。
ラスタースクロールはこのブログでも何度も出ている2Dゲーム上の有名な表現ですが、このゲームは単純なサイン波形のラスタースクロール表現のみでなく、奥行を表現するために画面上部の方を潰しての表現を行っていたりします。
奥行のあるステージは縦スクロールの奇数面で、これらのステージは画面上部へ行くほど画面の密度が高くなっており、奥行があるように見えます。
ちなみに自機の速度も奥(上部)へ行く程遅くなっているので、なんとなく雰囲気が出ています。
疑似3Dの奥行とは感覚が違っているのが人によってかなり違和感があるみたいですが、私はそんな事よりも、この処理に驚愕したという感じです。
また、この上部の方はステージによりフォグをかけており、後述する半透明機能を使っています。
[多重スクロール処理とボス]
この時期のハードウェアから、アーケードゲームのようにBG面を2枚以上持つ事ができるハードウェアがリリースされ始めましたが、このゲームも当然、BG面を最大2~4枚使って多重スクロールを実現しており、殆どのステージが、奥行を表現する背景はゆっくり流れ、手前は衝突する背景という、アーケードゲームでは定番の表現を行います。
ここで素晴らしいのは、縦横ステージ関係無しに大型のボスを表現するのに、「ステージ進行を上手に構成し、ボスにBGを1面分を持ってくる」というもので、スプライトでは表現が困難な大型ボスは、ステージ構成を背景BGを1枚だけにするようにし、もう1枚のBGはボスに割り当てて表現しています。
(処理速度を稼ぎたいのか、大抵ボス戦はBGを2枚使っている感じです)
当時はこの構成に本当に感心し、「ゲームプログラミングというのは、こーいうハードの能力以外にも自前で構成する職人技が必要なんだな。」という事を理解しました。
[回転機能を使ったボス]
スーパーファミコンのハードで実現できる機能で有名なものに、BGの拡大縮小と回転というものがあります。
アクスレイがリリースされた時は、まだスーパーファミコンが出て1年半程度という事もあり、当時のゲームというのは「パイロットウィングス」「スーパーマリオワールド」「悪魔城ドラキュラ」「魂斗羅スピリッツ」「超魔界村」などが、この回転機能をゲームの「ギミック」として使用していたと思います(他にもあったと思いますが、私はこれ位しか知りません…(^^ゞ)。
回転するBGが「ヒットする背景」や「ボスキャラ」として「判定がある」というのは、当時としては結構高度な処理だと思っていただけに、私はこの処理を使っているゲームにとても感動していました。
アクスレイではステージ2のボスが極太レーザーを回転させながら発射してくるのですが、当時はこの処理が物凄く圧巻で、「スゲー!こんな表現に回転が使えるんだ!」と驚愕した想い出があります。
それと同時に、「ん?このボスって後にいれば、極太レーザーに当らない仕様になってしまうけど、なんでもっと画面右から撃つようにしないんだろ…?」なんて思っていました。
その数年後、ゲーム業界で働き始めたF田くんに「スーファミの回転機能は、回転軸は1本で、BGの回転座標は設定できても、表示される軸は必ずスクリーン中央になるんだよ。」と言われ、「あ~、だからアクスレイの2ndのボスは中心から回転する仕様なんだ…」と、数年経ってから、この時の表現の捻出に感動した想い出があります。
こう思うと、電源入れて単純にタイトル画面をグルグル回して表現するだけのようなゲームとは違うものだなぁ~と、シミジミしました。
[あちこちで半透明処理]
背景の回転拡大縮小の他にも半透明(アルファブレンド)という機能も忘れてはいけません。
この頃はアーケードかX68000が専売だったというような機能もスーパーファミコンに搭載されていました。
そして、このゲームは当然その機能を使わない訳がありません。
ステージ1, 3のボスの出現方法(フェードイン)から、ステージ4の水のステージの水中部(の半透明)と、様々な個所で比較的一般的な使用から、ラスボス戦で出てくる岩の出現表示にも半透明機能が駆使されています。この岩はスプライトっぽく見えるのですが、「もしかしたらスーファミ最大の4面のうち、この岩に2面を適用しているのかも…?」と未だに私にとって謎となっています。
半透明の他にも、マスキング処理も行っているみたいで、最終面で敵がライト光らせてくるのですが、背景の一部が明るくなったりします。これは恐らくマスキング処理だと思うので、このような処理までやってのけています。
[モザイクまで使う]
モザイクはスーパーファミコンで、ステージの切り替え等によく使われるエフェクトです。
流石にこの処理はエフェクト程度に留まり、ギミックとしては使われていませんが、ステージ3のボスがダメージを受けるとモザイクがかかったりします。ボスはサンダーのような攻撃をしてきていたので、ボスに逆ビリビリ感を与えた感じが出ていました。
[水の中にラスター処理]
ステージ4の水の中までラスター処理を行っています。
素晴らしい事に、水の中だけがラスタースクロールを行い、水中の揺らぎを演出しています。当時としては、地上と水中が分けて表現されているのは「アクアレス」位しか見た事なかった私には「スーファミでも、ついに… ゴクリ…」って感じでした。
[ボスの消滅表現にラスター処理]
ボスの消滅の仕方にまで一風変ったラスター表現を行っています。
私が当時感心したボス消滅処理にステージ4とステージ5がありました。
ステージ4のボスが倒されると「分身するように消滅」していきます。これは恐らく奇数ラスターと偶数ラスターで表示位置をズラして実現しています。まるでインターレースです。
ステージ5のボスが倒されるとボスが「溶け落るように消滅」していきます。これは恐らく描画する背景のライン位置をVSyncのタイミングに合せて下に数回再描画して実現しています。
どちらも背景のキャラクタパターンを用いらずに実現できるプログラマブルな処理に、「うまいなぁ~!」と感心するばかりでした。
[リバーブやフェードまで使う]
このゲームは映像ばかりだけでありません。サウンドの処理も素晴らしいです。
スーパーファミコンでは比較的簡単(だと私が勝手に思っている)なフェードアウト処理から、ステージ4のような洞窟では、リバーブ処理を実現しています。スーパーファミコンはPCM(ADPCM)音源なので、比較的このような処理はファミリーコンピュータに比べて楽とは思いますが、PCMだからこそ処理がヘビーにもなると思います。これを上述の映像と並列してやっているのは素晴らしいと思いました。
(もしかしら、簡単なI/Oポート設定とかで済んだりして(^^ゞ)
[BGMに凄い(?)仕掛けが]
あまり知られていないような気がしますが、このゲームの「ステージボスのBGMは、殆んどがステージBGMのアレンジ」になっています。
私にとって、スーパーファミコンの音源というのは、オーケストラや哀愁の漂う曲に合っていて、且つ音がこもっている感じがして、あまり好みではないのですが、このゲームの曲はその「哀愁の漂う」という雰囲気に合っている上に、ステージBGMのアレンジがボス曲というフィーチャーに感動して、かなり好みとなっています。
特にステージ4の曲は音色も綺麗で、未だに聴いている位です。
(実はゲーム全てにおいて水中を表す曲が比較的好きというのもあるのですが…(^^ゞ)
このようなステージBGMをアレンジして回していく仕掛けがあるゲームは、他に「ブラックドラゴン」がありますが、このようなBGMデザインを持つゲームは凄いと思います。
…と、パッと列挙しただけでも、これだけあるので、洒落にならない程、ゲームプログラミング技術が素晴らしいです。
これだけの事が実現できるのは、このハードウェアに精通しているだけではなく、かなりエンターテーメント性に優れていないと思い浮ばない訳で、このゲームを制作されたスタッフというのは、凄い精鋭部隊なんだろうなぁ~なんて当時は思っていたものです。
そして、今回この文章を書きながら、アクスレイの事をwikipediaを見たら、「トレジャーのメンバーがコナミに在籍していた頃に関わっていた最後の作品である。」…って、なるほどねぇ…そーだったんだw
全てが納得いってしまいすぎです。お釣りがくる程です。賽銭箱に100円玉投げたら、釣り銭出てくる人生です。(なんて(^^ゞ)
当時はエンディングに「アクスレイ2」の事が出ていたので、「いつになったら出てくるんだ?」とか思っていましたが、なんか謎が解けた気がします。
これだったら友人に「そのうち社長さんに会ったら、アクスレイ2は将来出ないのか聴いておいてw」とか言っておきたいものですw
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