昔のゲームの想い出 [0256] 「マイティボンジャック」 [テクモ] [1986] [ファミリーコンピュータ]
《ニゴロ・ニコニコ!》
サブタイトルの意味は後述しますが、とりあえず第256回は、このタイトルになります。
私がコンピュータの…いや、テレビゲームでこの「256」という数字(数値)を意識し始めたのは「ゼビウス」からなのですが(言わずとしれた、あの都市伝説)、当時256という数字をやたらと人に話したのは「マイティボンジャック」だったりします。
なお、256という数値は8ビットではオーバーフローしている状態の数値なので、1990年代辺りから情報処理のことを知らないゲーム好きが「最大値が256」とかいう話をしているのを聴いたりすると、結構違和感を持ったりしてました。(数値表現は0~255、符号ありでは-128~127の数値表現なので、256という数値表現は無い。あえて言うなら256通りが正解…かも)
そして、この想い出カテゴリで、移植物のタイトルは、オリジナルと移植物をいっしょくたにするケースがありますが、本ゲームと元祖「ボンジャック」は別にします。(どちらも想い出の量が多いタイトルなので)

今回はファミリーコンピュータ版のこちら。
サブタイトルの意味は後述しますが、とりあえず第256回は、このタイトルになります。
私がコンピュータの…いや、テレビゲームでこの「256」という数字(数値)を意識し始めたのは「ゼビウス」からなのですが(言わずとしれた、あの都市伝説)、当時256という数字をやたらと人に話したのは「マイティボンジャック」だったりします。
なお、256という数値は8ビットではオーバーフローしている状態の数値なので、1990年代辺りから情報処理のことを知らないゲーム好きが「最大値が256」とかいう話をしているのを聴いたりすると、結構違和感を持ったりしてました。(数値表現は0~255、符号ありでは-128~127の数値表現なので、256という数値表現は無い。あえて言うなら256通りが正解…かも)
そして、この想い出カテゴリで、移植物のタイトルは、オリジナルと移植物をいっしょくたにするケースがありますが、本ゲームと元祖「ボンジャック」は別にします。(どちらも想い出の量が多いタイトルなので)

今回はファミリーコンピュータ版のこちら。
【ファーストインプレッション】
私の中で当時「神ゲー」という位置づけとなっていた「ボンジャック」がファミリーコンピュータに移植されるという記事をゲーム雑誌で見て、物凄い興奮を覚えました。
それもゲーム内容がかなり違い、ストーリーがあり、ピラミッドの中を探索、そしてタイトルに「マイティ」なんて形容詞が付いての登場と来たら、「これは発売日に買うしか無い!絶対に…だ。」という意気込みでした。
【雑誌を食い入るように眺める。そして…】
発表を機に、ピラミッド中のヤシの木のようなオブジェのある背景、拷問部屋、野外… 広告に掲載されている非常にカラフルな画面に「こんなに凄いの、早く出ないかなぁ~」と穴が開くくらい雑誌を眺め始めたのですが、
「ん? なんか変だな…」
ふとあることに気が付き始めました。
この頃(1986年)は既に個人でゲームプログラミングをしていた上に、それもファミリーベーシックも嗜んでいたので、ファミリーコンピュータのハードにはそこそこ強くなっていました。(よくある「スプライトが横に並ぶとのチラつく」現象が実際にはハードウェアでチラついているのではなくて、優先度の低いものが表示されないため、プログラミングでチラつかせているという事もこの時点で知ってる位の知識は持っていた)
それを持って、この広告のカラフル配色がファミリーコンピュータのソレでは現実的ではないということが分かりました。広告を舐めるようにして分かった違和感の結果は以下の通りです。

当時雑誌に掲載された広告例。(これは私の所有するチラシ)
(1) 配色がおかしい
ファミリーコンピュータのゲームを沢山プレーしていると分かることなのですが、
広告のキャラクターの発色に出ない色が表示されている。
(2) 同時発色がおかしい
ファミリーコンピュータの背景とスプライトで同時発色できる数がソレを
超えているように見える。
(3) スプライトの配置がカッチリしている
ゲーム画面がスクリーンショットとしてはスプライトの位置が全て背景(BG)の
マップチップ(8x8)の座標とピッタリ合っている。
まるでスプライトもBGの一部のよう。
「画面は開発中のものです」とは書いてありませんでしたが、明らかにこれは別のコンピュータで作っているというものでした。
上記のチラシを元に検証をしてみると…

違和感(1), (2)の検証
ガーメイド(亀)の噴射がカラフルなので、スプライトの組み合わせでないと難しいという見解です。もし実現するなら16x8でこの噴射用のキャラクタを作る必要があり、コストがかなりかかります。また、背景の緑とこのキャラの緑色の組み合わせはファミリーコンピュータのパレットでは厳しい気がします。

違和感(3)の検証
スプライトの配置が16x16で構成されており、動きがないようにしか見えないです。
このような疑惑は発売1一ヶ月を切ったあたりの雑誌で確信となりました。チラシと全く違う(とまでは言いませんが結構違う)スクリーンショットが掲載され、「やっぱりな… ジャックの色とか大分明るくなって、ファミコン特有の軽い色合いになったな…(´・ω・`)」となりました。
それでもゲーム内容は当初の予定通りなので、発売日が最初の告知よりも一ヶ月程延びましたが、楽しみに待ちました。
【発売日に購入】
買ってプレーを初めてまず最初に思ったことは「動きが軽い… 妙に雰囲気が明るい…」です。前者はアーケード版をやりまくった者からすると、正直かなりガッカリしました。操作感覚は完全に別ゲーで、「いかにもコンシューマ移植」って感じです。
とりあえず、何も考えずガンガン進んでいったら、いきなり12面位まで進んだ記憶があります。このゲームは基本的に敵が4匹しかでないので(若干例外はありますが)、アーケード版に比べたら簡単で、且つ固定面以外はスクロールアウトもできるので、アーケード慣れしていた私にはなんなく進めることができました。高次ステージになると、たとえ4匹でも激しい動きになるので、結構大変ですが、私は敵の出現アルゴリズムがジャンプ回数で変化することを速攻で見抜いてしまったので、「こんな仕組みでいいのかなぁ~」と発売初日で思ってしまいました。
【とりあえず初日でクリア】
当時の私は「とにかく早解き」がモットーだったので、このゲーム然り、簡単にエンディングを見ることができました。
ピラミッドの頂点が爆発してジャックが飛び出てくるエンディングは味気なく、「こんな感じなんだな…」と思いました。
友人達に「OKIくん、もうクリアしたんだ。相変わらず早いね。」と称賛されるなか、私は辛口で「ゲームセンターのボンジャックの方がずっと面白いよ。」と言っていました。まさかこのゲームに隠された魅力があるとも知らずに…
【驚愕の事実!真のゲームデザインを知る】
速攻で飽きたこのゲームでしたが、ファミコン必勝本を始めとした攻略本が割りと後から出てきました。「へぇ~。こんな巨大なマップだったんだな。取説に書いてある見取り図からは想像できないよ。」と、あまりマニュアルを読んでなかったのでピラミッドの中を移動している程度の認識でしたが、キチンとマップを見て、且つ攻略内容を読んで鳥肌が立ちました。
「な、なんだ。この内容は…
俺の攻略って1/10位だったんじゃねーのか…?」
私が「初日でクリアした」と思っていた内容は、4つあるエンディングの最も簡単なもので、細かい謎解きを何一つクリアしていない…というものでした。
「迷宮なんてあるのか!スゲー!! 確かに開いてない扉が沢山あったけど、全然気にしてなかった…」と、当時のファミリーコンピュータのゲームというのは、思わせぶりで実は何もないとか、あっても大したことのないフィーチャーが多かったので、このゲームを何も考えないでクリアした際に見つけた扉(スフィンクスを取ると開く)の先なんて、せいぜい1UP程度の内容と、進行に関係のないものとばかり思っていました。
しかし、条件を見れば見るほど、「こんなの分かるわけねーだろ? 当たったら死んでしまう炎の中に一箇所だけ安全な場所があって、しかもそこをジャンプしないと宝が出ない」とか、「普通の地形を5回ジャンプして穴を開けたら、更にその下を同様にジャンプする」とか、「画面の端の上部に見えない場所に乗れて、そこをジャンプすると宝箱が出て、その下を数か所下まで続けてジャンプしていくと、次々宝箱が出て最後にスフィンクスが出る」…と、正直「理不尽な謎解きのオンパレード」です。
「これは攻略本ありきで作られたゲームだな…」と、製作者は「ドルアーガの塔」リスペクトなのかな?と思うような、裏技のような謎解きだらけのゲームということが分かりました。

「絶対にお答えしない」のはいいですが、こんな謎じゃ、
まず一番良いエンディングは誰も見れないでしょうねw
腕前的には問題のない私は攻略本さえあれば、攻略本片手に余裕でクリアです。真のエンディングを無事見ることができました。それもいきなり一番良いエンディングをです。一番良いエンディングでは、最後の最後に「スターフォース」のパーサーとドッキングした時のBGMが鳴り、びっくりした想い出があります。(最後に入手するアイテムがクレオパトラの横顔と知るのは、何度かクリアしてから理解しました。(^^ゞ)
それから逆順で他のエンディングを見たのですが、違いはエンディングのメッセージと、ピラミッドの壊れ方の大小程度で、「思ったより、面白くないな…」という感想でした。
ネット検索しても全く引っかからないようなので、ここにネタを書いておきます。
「エンディングでジャックがピラミッドに潜っていく(?)動きがありますが、これをずっと放っておいておくと、画面の上から落ちてきて、また潜っていきますw」
…です。 あと、今回想い出記事を書くにあたり、ネット検索にて攻略サイトを幾つかみかけましたが、敵の変身アルゴリズムの解釈が間違っているのも見受けられて(´・ω・`)な気持ちになりました。発売日初日に仕様を把握したガキの私に負けているなんて、ちょっと情けないオトナですね…(´・ω・`)
【♪任天堂にイっちゃう!】
この凄い謎解き(?)に満足した私は、一気にマイティボンジャック布教者になりました。難易度が高いお陰で誰もクリアできないので、私の家に人を呼んでは、エンディングを見せてあげ、このゲームのフィーチャーやボリュームを語るという感じでした。
そのようななか、当時のラジオ放送で「明石家さんまのブンブン大放送」(正確には「明石家さんまのラジオが来たゾ!東京めぐりブンブン大放送」らしいですね)というラジオ番組を周囲で聴くのが流行っており、この番組内の「トラベルチャンス」という女性が喘ぎ声を出して、さんまさんを満足させるコーナーが人気ありました。当時(1986年中期)任天堂の株価が物凄いことになっており、さんまさんが「任天堂に就職したいなぁ~」とか冗談交じりで言っており、その流れでトラベルチャンスのコーナーに突入し、女性が大声で「イクぅー!」とかアエいだ際、さんまさんが「ワーオ!ワーオ! ボク任天堂にイっちゃうー!」とか言ってて、それが周囲で大ウケしました。
ある日、私がいつものようにマイティボンジャックを皆の前でプレーしていると、野外のステージのBGMに歌詞を付ける人が出てきて、最初のパートの最後のところで「♪任天堂に・イっちゃう!」という歌を皆が大合唱するようになりました。
当時はみんなガキなので、このような超くだらないことで妙に大ウケし、それを私が毎日聴かされるハメに…
お陰で今でもこの野外のステージ雲に乗りながら移動していると、BGMを口ずさみながら「♪任天堂に・イっちゃう!」と歌ってしまう自分がいたりします。
【03(256)2525】
サブタイトルの話となります。当時テーカン社がテクモ社に変わった際、第一弾の本作の取扱説明書の最後に「テクモランド」なるものが書いてあり、「へぇ~こんなのあるんだ。」程度の認識でしたが、ある日、広告に「テクモホットライン 03(256)2525 ニゴロ ニコニコ」というものを見つけ、「これってテクモランドと同じ番号じゃん!」と思い、この語呂の良さも相まってかけてみることにしました。
軽快なイントロが流れ、テクモのこれからリリースされるゲーム情報や裏技の説明が流れ、「これは素晴らしい!」と私にとって初めて聴く電話サービスに興奮しました。ちなみにこの「軽快なイントロ」というのは後にクリアすることになるFC版「ソロモンの鍵」の真のエンディング曲で、このゲームの想い出のネタに繋がります。更にいうと、後にこのサントラにも収録されるので、それはもう聴きまくりました。(今でもカーステで聴いているけどw)
この電話サービスは私の周りでは誰も聴いたことがなかったので、私は「ゲームの情報が聴けるんだぜ!(`▽´)」とドヤりながら、そこらじゅうでこの番号に電話しました。友人の家に始まり、電話ボックスから、学校の職員室、酷いものでは友人の学習塾(私は部外者)にて先生が不在の時を見計らって、塾の生徒連中を集めてスピーカーホンでかけたりしました。恐ろしい程の布教活動です。
たかが5分程度の情報なのですが、「テレビゲームの情報を雑誌以外で音声で聴ける」という感動を初めて体験させていただいた、この「256(ニゴロ)」なんて番号、当時から洒落ていると思っていましたが、現代の8ビットコンピュータ大好き厨二病みたいな人からすると、もっと喜んでしまいそうなものです。
多分、100回以上かけたであろう番号。
「キャプテン翼」のリリース位まで追っていました。(´▽`)
ちなみに、この電話サービスを皮切りに、他の会社や雑誌でもこのようなサービスが即出てきました。「リターン・オブ・イシュター(笑)」なども、この手の電話サービスで先行情報を得たものです。
【オミットされたキャラクターを発掘】
発売前に穴が開くほど広告を見ていた私は、発売されてから様々なキャラクターがオミットされてしまったことを残念に思っていたのですが、上述の真のゲームデザインを知ってから、「もしかして真の謎をクリアしていくと、隠された部屋に広告で載っていたキャラクターとか出てきたりするんじゃないのか?」などと淡い期待をするようになりました。
1986年の当時、私は趣味でコンピュータゲームプログラミングをしている流れで、ファミコンの原理やバグを利用した裏技などを見つけることをゲームのプレーとは別の形で嗜むようになっていました。
有名なものとしては、カセット半挿しの「マリオブラザーズ」、「ドラゴンクエスト」のマップ切り替え時のワープ(これは有名ではないか…)など、電気信号的な裏技を始め、ファミリーコンピュータが頑丈な事をいいことに色々な事をしました。
特にリセットボタンを押しながら、他のカセットに差し替えると上手く通電状態が維持できていると、BGやスプライトパターンが差し替えたゲームのもので表示されるという仕様(当然表示はグチャグチャではありますが)は、キャラクタROMをゲーム進行しないで覗けるといったマニアックな遊び方をしており、本ゲームのキャラクターROMを覗いてみたところ…
ゲーム中に出て来ないキャラクターがROM内にいる
ではありませんか。
「こ、これはスゴい。謎をキチンとクリアしたら出てくるのか!? 単に未使用キャラクターなのか!? (;゚∀゚)=3ムッハー」と物凄く夢のある事象に興奮しました。
「スーパーゼビウス」や「ドルアーガの塔」の情報は雑誌や同人誌で読んでいたので、「ROM内で使われずに残っているキャラクターやフィーチャーがある場合がある」というのがある事は知っているものの、コンシューマーゲームでは初のことだったので、「これが未使用なんて考えられない!」なんて思ったものです。
ソフト発売前の雑誌の情報。
リリース後と比較すると5つ位知らないキャラが居る。
番人がどのような動きをするのかワクワクしたものです。

ソフト発売直前の雑誌の情報。
色々なキャラクターがオミットされている。
カラーリングもファミコン色に…
リセットでキャラクターROMの配置を変える。
(今回はカセット差し替えの術は使ってない)
発売前の広告の「ブルート」の歩行パターンが確認できます。
謎のペンダントや、顔のマーク、相合い傘、写真には映っていないですが、ファイナルスターなども存在します。結局、この手のキャラクターがどのような条件で出せるのか謎のまま今に至ります。今なら色々な方法で解析ができますが、私はとりあえず老後の楽しみに取っておきます。(たとえ未使用キャラと分かっていても、自分で真実を掴むまでは知らないフリをし続けます。(^^ゞ)
◇ ◇ ◇
【開発者に出会う】
これは当時の想い出ではないのですが、5年前に驚愕な出来事があり、その流れで本ゲームの開発者の方々と会合をしました。
サラッと書いてますが、振り返ると凄い事だったんだよなぁ~ってシミジミします。基本的に私はミーハーではないので、偉大なるゲームの関係者にお会いするなんて、とんでもない!」と思うのですが、この時ばかりは好奇心に負けました。でも恐れ多いので、私の熱いパトスを1回だけ思いっきりブツけて終わりにしました。やっぱり偉大なるゲームを作った人には近づかずに崇めるのが性に合ってます。(ゲーム業界に行く前からの幼馴染だけは除く)
物凄くやり込んだゲームの開発者に会えたのは、後にも先にもコレくらいになる気がしています。(やり込んでいないゲームの開発者には、何人か会ってますけど。うち1人はゲームと関係のない話で2ヶ月前に電話したばかりw)
◇ ◇ ◇
「ボンジャック」は私の心のゲームの1つですが、「マイティボンジャック」もコンシューマー向けに非常に良いアレンジを行っているので、Nitendo Switch Onlineでスペシャルエディションの待遇を受けているのを見ると、良タイトルという位置づけなんだろうな…と思います。(難易度が高くて有名なので、それを一気に乗り越えた最終局面から始められるモードというのは個人的には苦笑してしまいましたがw)
このゲームの素晴らしさは、アクションゲームが得意で且つ攻略本片手に無茶振りな謎をキチンとクリアした者だけが分かるゲームだとは思いますが、私の中ではA級のゲームという位置づけなので、ジーさんになってもたまにプレーしようと思います。
私の中で当時「神ゲー」という位置づけとなっていた「ボンジャック」がファミリーコンピュータに移植されるという記事をゲーム雑誌で見て、物凄い興奮を覚えました。
それもゲーム内容がかなり違い、ストーリーがあり、ピラミッドの中を探索、そしてタイトルに「マイティ」なんて形容詞が付いての登場と来たら、「これは発売日に買うしか無い!絶対に…だ。」という意気込みでした。
【雑誌を食い入るように眺める。そして…】
発表を機に、ピラミッド中のヤシの木のようなオブジェのある背景、拷問部屋、野外… 広告に掲載されている非常にカラフルな画面に「こんなに凄いの、早く出ないかなぁ~」と穴が開くくらい雑誌を眺め始めたのですが、
ふとあることに気が付き始めました。
この頃(1986年)は既に個人でゲームプログラミングをしていた上に、それもファミリーベーシックも嗜んでいたので、ファミリーコンピュータのハードにはそこそこ強くなっていました。(よくある「スプライトが横に並ぶとのチラつく」現象が実際にはハードウェアでチラついているのではなくて、優先度の低いものが表示されないため、プログラミングでチラつかせているという事もこの時点で知ってる位の知識は持っていた)
それを持って、この広告のカラフル配色がファミリーコンピュータのソレでは現実的ではないということが分かりました。広告を舐めるようにして分かった違和感の結果は以下の通りです。

当時雑誌に掲載された広告例。(これは私の所有するチラシ)
(1) 配色がおかしい
ファミリーコンピュータのゲームを沢山プレーしていると分かることなのですが、
広告のキャラクターの発色に出ない色が表示されている。
(2) 同時発色がおかしい
ファミリーコンピュータの背景とスプライトで同時発色できる数がソレを
超えているように見える。
(3) スプライトの配置がカッチリしている
ゲーム画面がスクリーンショットとしてはスプライトの位置が全て背景(BG)の
マップチップ(8x8)の座標とピッタリ合っている。
まるでスプライトもBGの一部のよう。
「画面は開発中のものです」とは書いてありませんでしたが、明らかにこれは別のコンピュータで作っているというものでした。
上記のチラシを元に検証をしてみると…

違和感(1), (2)の検証
ガーメイド(亀)の噴射がカラフルなので、スプライトの組み合わせでないと難しいという見解です。もし実現するなら16x8でこの噴射用のキャラクタを作る必要があり、コストがかなりかかります。また、背景の緑とこのキャラの緑色の組み合わせはファミリーコンピュータのパレットでは厳しい気がします。

違和感(3)の検証
スプライトの配置が16x16で構成されており、動きがないようにしか見えないです。
このような疑惑は発売1一ヶ月を切ったあたりの雑誌で確信となりました。チラシと全く違う(とまでは言いませんが結構違う)スクリーンショットが掲載され、「やっぱりな… ジャックの色とか大分明るくなって、ファミコン特有の軽い色合いになったな…(´・ω・`)」となりました。
それでもゲーム内容は当初の予定通りなので、発売日が最初の告知よりも一ヶ月程延びましたが、楽しみに待ちました。
【発売日に購入】
買ってプレーを初めてまず最初に思ったことは「動きが軽い… 妙に雰囲気が明るい…」です。前者はアーケード版をやりまくった者からすると、正直かなりガッカリしました。操作感覚は完全に別ゲーで、「いかにもコンシューマ移植」って感じです。
とりあえず、何も考えずガンガン進んでいったら、いきなり12面位まで進んだ記憶があります。このゲームは基本的に敵が4匹しかでないので(若干例外はありますが)、アーケード版に比べたら簡単で、且つ固定面以外はスクロールアウトもできるので、アーケード慣れしていた私にはなんなく進めることができました。高次ステージになると、たとえ4匹でも激しい動きになるので、結構大変ですが、私は敵の出現アルゴリズムがジャンプ回数で変化することを速攻で見抜いてしまったので、「こんな仕組みでいいのかなぁ~」と発売初日で思ってしまいました。
【とりあえず初日でクリア】
当時の私は「とにかく早解き」がモットーだったので、このゲーム然り、簡単にエンディングを見ることができました。
ピラミッドの頂点が爆発してジャックが飛び出てくるエンディングは味気なく、「こんな感じなんだな…」と思いました。
友人達に「OKIくん、もうクリアしたんだ。相変わらず早いね。」と称賛されるなか、私は辛口で「ゲームセンターのボンジャックの方がずっと面白いよ。」と言っていました。まさかこのゲームに隠された魅力があるとも知らずに…
【驚愕の事実!真のゲームデザインを知る】
速攻で飽きたこのゲームでしたが、ファミコン必勝本を始めとした攻略本が割りと後から出てきました。「へぇ~。こんな巨大なマップだったんだな。取説に書いてある見取り図からは想像できないよ。」と、あまりマニュアルを読んでなかったのでピラミッドの中を移動している程度の認識でしたが、キチンとマップを見て、且つ攻略内容を読んで鳥肌が立ちました。
俺の攻略って1/10位だったんじゃねーのか…?」
私が「初日でクリアした」と思っていた内容は、4つあるエンディングの最も簡単なもので、細かい謎解きを何一つクリアしていない…というものでした。
「迷宮なんてあるのか!スゲー!! 確かに開いてない扉が沢山あったけど、全然気にしてなかった…」と、当時のファミリーコンピュータのゲームというのは、思わせぶりで実は何もないとか、あっても大したことのないフィーチャーが多かったので、このゲームを何も考えないでクリアした際に見つけた扉(スフィンクスを取ると開く)の先なんて、せいぜい1UP程度の内容と、進行に関係のないものとばかり思っていました。
しかし、条件を見れば見るほど、「こんなの分かるわけねーだろ? 当たったら死んでしまう炎の中に一箇所だけ安全な場所があって、しかもそこをジャンプしないと宝が出ない」とか、「普通の地形を5回ジャンプして穴を開けたら、更にその下を同様にジャンプする」とか、「画面の端の上部に見えない場所に乗れて、そこをジャンプすると宝箱が出て、その下を数か所下まで続けてジャンプしていくと、次々宝箱が出て最後にスフィンクスが出る」…と、正直「理不尽な謎解きのオンパレード」です。
「これは攻略本ありきで作られたゲームだな…」と、製作者は「ドルアーガの塔」リスペクトなのかな?と思うような、裏技のような謎解きだらけのゲームということが分かりました。

「絶対にお答えしない」のはいいですが、こんな謎じゃ、
まず一番良いエンディングは誰も見れないでしょうねw
腕前的には問題のない私は攻略本さえあれば、攻略本片手に余裕でクリアです。真のエンディングを無事見ることができました。それもいきなり一番良いエンディングをです。一番良いエンディングでは、最後の最後に「スターフォース」のパーサーとドッキングした時のBGMが鳴り、びっくりした想い出があります。(最後に入手するアイテムがクレオパトラの横顔と知るのは、何度かクリアしてから理解しました。(^^ゞ)
それから逆順で他のエンディングを見たのですが、違いはエンディングのメッセージと、ピラミッドの壊れ方の大小程度で、「思ったより、面白くないな…」という感想でした。
ネット検索しても全く引っかからないようなので、ここにネタを書いておきます。
「エンディングでジャックがピラミッドに潜っていく(?)動きがありますが、これをずっと放っておいておくと、画面の上から落ちてきて、また潜っていきますw」
…です。 あと、今回想い出記事を書くにあたり、ネット検索にて攻略サイトを幾つかみかけましたが、敵の変身アルゴリズムの解釈が間違っているのも見受けられて(´・ω・`)な気持ちになりました。発売日初日に仕様を把握したガキの私に負けているなんて、ちょっと情けないオトナですね…(´・ω・`)
【♪任天堂にイっちゃう!】
この凄い謎解き(?)に満足した私は、一気にマイティボンジャック布教者になりました。難易度が高いお陰で誰もクリアできないので、私の家に人を呼んでは、エンディングを見せてあげ、このゲームのフィーチャーやボリュームを語るという感じでした。
そのようななか、当時のラジオ放送で「明石家さんまのブンブン大放送」(正確には「明石家さんまのラジオが来たゾ!東京めぐりブンブン大放送」らしいですね)というラジオ番組を周囲で聴くのが流行っており、この番組内の「トラベルチャンス」という女性が喘ぎ声を出して、さんまさんを満足させるコーナーが人気ありました。当時(1986年中期)任天堂の株価が物凄いことになっており、さんまさんが「任天堂に就職したいなぁ~」とか冗談交じりで言っており、その流れでトラベルチャンスのコーナーに突入し、女性が大声で「イクぅー!」とかアエいだ際、さんまさんが「ワーオ!ワーオ! ボク任天堂にイっちゃうー!」とか言ってて、それが周囲で大ウケしました。
ある日、私がいつものようにマイティボンジャックを皆の前でプレーしていると、野外のステージのBGMに歌詞を付ける人が出てきて、最初のパートの最後のところで「♪任天堂に・イっちゃう!」という歌を皆が大合唱するようになりました。
当時はみんなガキなので、このような超くだらないことで妙に大ウケし、それを私が毎日聴かされるハメに…
お陰で今でもこの野外のステージ雲に乗りながら移動していると、BGMを口ずさみながら「♪任天堂に・イっちゃう!」と歌ってしまう自分がいたりします。
【03(256)2525】
サブタイトルの話となります。当時テーカン社がテクモ社に変わった際、第一弾の本作の取扱説明書の最後に「テクモランド」なるものが書いてあり、「へぇ~こんなのあるんだ。」程度の認識でしたが、ある日、広告に「テクモホットライン 03(256)2525 ニゴロ ニコニコ」というものを見つけ、「これってテクモランドと同じ番号じゃん!」と思い、この語呂の良さも相まってかけてみることにしました。
軽快なイントロが流れ、テクモのこれからリリースされるゲーム情報や裏技の説明が流れ、「これは素晴らしい!」と私にとって初めて聴く電話サービスに興奮しました。ちなみにこの「軽快なイントロ」というのは後にクリアすることになるFC版「ソロモンの鍵」の真のエンディング曲で、このゲームの想い出のネタに繋がります。更にいうと、後にこのサントラにも収録されるので、それはもう聴きまくりました。(今でもカーステで聴いているけどw)
この電話サービスは私の周りでは誰も聴いたことがなかったので、私は「ゲームの情報が聴けるんだぜ!(`▽´)」とドヤりながら、そこらじゅうでこの番号に電話しました。友人の家に始まり、電話ボックスから、学校の職員室、酷いものでは友人の学習塾(私は部外者)にて先生が不在の時を見計らって、塾の生徒連中を集めてスピーカーホンでかけたりしました。恐ろしい程の布教活動です。
たかが5分程度の情報なのですが、「テレビゲームの情報を雑誌以外で音声で聴ける」という感動を初めて体験させていただいた、この「256(ニゴロ)」なんて番号、当時から洒落ていると思っていましたが、現代の8ビットコンピュータ大好き厨二病みたいな人からすると、もっと喜んでしまいそうなものです。
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「キャプテン翼」のリリース位まで追っていました。(´▽`)
ちなみに、この電話サービスを皮切りに、他の会社や雑誌でもこのようなサービスが即出てきました。「リターン・オブ・イシュター(笑)」なども、この手の電話サービスで先行情報を得たものです。
【オミットされたキャラクターを発掘】
発売前に穴が開くほど広告を見ていた私は、発売されてから様々なキャラクターがオミットされてしまったことを残念に思っていたのですが、上述の真のゲームデザインを知ってから、「もしかして真の謎をクリアしていくと、隠された部屋に広告で載っていたキャラクターとか出てきたりするんじゃないのか?」などと淡い期待をするようになりました。
1986年の当時、私は趣味でコンピュータゲームプログラミングをしている流れで、ファミコンの原理やバグを利用した裏技などを見つけることをゲームのプレーとは別の形で嗜むようになっていました。
有名なものとしては、カセット半挿しの「マリオブラザーズ」、「ドラゴンクエスト」のマップ切り替え時のワープ(これは有名ではないか…)など、電気信号的な裏技を始め、ファミリーコンピュータが頑丈な事をいいことに色々な事をしました。
特にリセットボタンを押しながら、他のカセットに差し替えると上手く通電状態が維持できていると、BGやスプライトパターンが差し替えたゲームのもので表示されるという仕様(当然表示はグチャグチャではありますが)は、キャラクタROMをゲーム進行しないで覗けるといったマニアックな遊び方をしており、本ゲームのキャラクターROMを覗いてみたところ…
ではありませんか。
「こ、これはスゴい。謎をキチンとクリアしたら出てくるのか!? 単に未使用キャラクターなのか!? (;゚∀゚)=3ムッハー」と物凄く夢のある事象に興奮しました。
「スーパーゼビウス」や「ドルアーガの塔」の情報は雑誌や同人誌で読んでいたので、「ROM内で使われずに残っているキャラクターやフィーチャーがある場合がある」というのがある事は知っているものの、コンシューマーゲームでは初のことだったので、「これが未使用なんて考えられない!」なんて思ったものです。
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リリース後と比較すると5つ位知らないキャラが居る。
番人がどのような動きをするのかワクワクしたものです。

ソフト発売直前の雑誌の情報。
色々なキャラクターがオミットされている。
カラーリングもファミコン色に…
![]() | ![]() |
(今回はカセット差し替えの術は使ってない)
発売前の広告の「ブルート」の歩行パターンが確認できます。
謎のペンダントや、顔のマーク、相合い傘、写真には映っていないですが、ファイナルスターなども存在します。結局、この手のキャラクターがどのような条件で出せるのか謎のまま今に至ります。今なら色々な方法で解析ができますが、私はとりあえず老後の楽しみに取っておきます。(たとえ未使用キャラと分かっていても、自分で真実を掴むまでは知らないフリをし続けます。(^^ゞ)
【開発者に出会う】
これは当時の想い出ではないのですが、5年前に驚愕な出来事があり、その流れで本ゲームの開発者の方々と会合をしました。
サラッと書いてますが、振り返ると凄い事だったんだよなぁ~ってシミジミします。基本的に私はミーハーではないので、偉大なるゲームの関係者にお会いするなんて、とんでもない!」と思うのですが、この時ばかりは好奇心に負けました。でも恐れ多いので、私の熱いパトスを1回だけ思いっきりブツけて終わりにしました。やっぱり偉大なるゲームを作った人には近づかずに崇めるのが性に合ってます。(ゲーム業界に行く前からの幼馴染だけは除く)
物凄くやり込んだゲームの開発者に会えたのは、後にも先にもコレくらいになる気がしています。(やり込んでいないゲームの開発者には、何人か会ってますけど。うち1人はゲームと関係のない話で2ヶ月前に電話したばかりw)
「ボンジャック」は私の心のゲームの1つですが、「マイティボンジャック」もコンシューマー向けに非常に良いアレンジを行っているので、Nitendo Switch Onlineでスペシャルエディションの待遇を受けているのを見ると、良タイトルという位置づけなんだろうな…と思います。(難易度が高くて有名なので、それを一気に乗り越えた最終局面から始められるモードというのは個人的には苦笑してしまいましたがw)
このゲームの素晴らしさは、アクションゲームが得意で且つ攻略本片手に無茶振りな謎をキチンとクリアした者だけが分かるゲームだとは思いますが、私の中ではA級のゲームという位置づけなので、ジーさんになってもたまにプレーしようと思います。
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